イノ・ウエの独り言 
井ノ上が日頃”椅子張り職人”として感じたこと

2010年 6月 25日
発展途上国への植林事業、グリーンサイトライセンスへの協賛でエコを考える

植林事業(CO2削減)に貢献することになりました

普段から木を大切にするイス張り職人の集団として、有限会社AZUMAが環境のためにと常日頃考えていたことを実行に移すことが出来ました。

平成22年6月25日よりWEBサイトの右側の下段、カレンダーの下に緑色のGSLのロゴを貼りました。
グリーンサイトライセンスというライセンスを年間5000円で取得し、その金額で以下の3通りの支援のうちひとつを選択して支援を行うことが出来るのです。
・自然エネルギーの普及を支援
・環境貢献活動を支援
・政府のCO2削減活動を支援
このうち、AZUMAでは「環境貢献活動支援」ということで発展途上国への植林事業に参加することになりました。
右のGSLのロゴをクリックすると「モンゴル国セレンゲ県へのポプラ・ニレの植樹」と明記されており、実際に植樹した地域が記されています。

椅子やソファの張り替えは果たしてエコでしょうか?

2010年のミラノサローネではリサイクル出来る材質でつくられた家具が多く展示されておりました。

残念ながら木はリサイクルできる材料という点では外れてしまいますが、木部を再利用し、
構造から再加工を行う張り替えはエコといえるものと考えられます。
しかしながら、中身のウレタンフォームや表の生地(布地、革、合皮、ビニールレザーなどの張り地)
など交換するものはすべてゴミと化します。

AZUMAでは産廃業者へすべてのゴミの処分を委託して分別や消却を行っております。
ウレタンフォームに関してはお客様の強いご要望が無ければ、
背や肘など座面と比較して劣化しにくい部分のウレタンフォームは交換ではなく
補充をお勧めしたりしております。

これからも長くお使いになりたいお気持ちが、
ウレタンフォームの全交換につながるご要望も多いですが、
AZUMAのイス張り職人が実際に椅子を見て、交換で十分と判断すれば、
その旨お伝えし、補充で済んでいるケースが多いです。

このことは無駄に費用を掛けること、
無駄にウレタンフォームなどを処分し新しいものを使用すること、
無駄に手間を掛けることを防ぎ、
結果としてそれぞれの立場でエコとなっております。

椅子に関してのプロだからこその判断であり、
AZUMAのイス張り職人だからこその提案だと考えております。

張り替え最大のエコは?

古き良いもの」とは何でしょうか?

現在、工場ではおそらくは大正時代の椅子という椅子の張り替えを行っております。

椅子の加工内容は、塗装の塗り替え、バネの吊り直し、
詰め物をウレタンフォームへの交換、生地の張り加工といった作業となりますが、
良く乾燥された木、木目の表現、80年以上経ってもなおぐらつきひとつ無い木枠のつくり、
それこそが、「古き良いもの」の象徴です。

大正時代まで遡らなくても、椅子木地職人の作り上げた木枠は
私たちイス張り職人が見ても息をのむほど美しいのです。

それぞれの職人が精魂込めて作り上げたものは美しく、そして、丈夫です。

そういった「古き良いもの」を処分せず、
残せるものを残し、新たなものと一緒に作り上げる、
それこそが、AZUMAの椅子張替えであり、最大のエコだと考えます。

そして、そのエコを実現していただけるのは、
使い手である皆様のご判断のおかげです。

自分達の技能をぶつけてとことん椅子張りに打ち込めるAZUMAのイス張り職人は
おかげさまできわめて頑張り甲斐のある仕事を請け負っていると言えます。

もう一つのエコ、グリーンサイトライセンス

企業としての社会や地球への貢献という大事業は
大企業でなければ出来ないものと勝手に決めつけておりました。

グリーンサイトライセンスのことを知ったときは、
一工場である小規模な会社でも社会貢献できることを知りました。

年間5000円のライセンスを購入し10本の植樹が出来るそうです。
また、WEBサイトに貼り付けることで運動を広げ、より多くの仲間を増やし、
全体的に1本でも多くの木々を地球に植えて育てていく。

こういった運動にのったことできっとまた木が好きになると思います。

私たちの代ばかりでなく、子供の代、孫の代まで
住みやすい地球と椅子張りの技能を
残して行くことがAZUMAのイス張り職人の役割と信じて精進して参ります。

archive
過去記事の一覧
一覧の続きを開く

×閉じる