2. はがし
ダイニングチェア座面の張り替えにチャレンジ!!

 張り替える前の難関がこの「はがし」の作業となります。断念される方のほとんどはこの「はがし」の作業で断念されているようです。アラ・カワよりみなさんによいと考えられる方法とポイント、コツをこっそりお教えします。

座面から生地をはがす為の工具紹介

座面から生地をはがす為の工具紹介

必要 千枚通し(目打ち)、ニッパー
あると便利 マイナスドライバー、金槌

 はがしの作業ををするのにはの工具が必要になります。
工具の使い方については追って説明しますが、絶対必要となるのが「千枚通し」「ニッパー」です。

 このタイプのダイニングチェアはステープルというホチキスの芯の大きいもので止められていることが多い。ちなみに30年ほど前は3分釘が使用されていた。このステープルを抜く作業こそ断念された方の越えられなかった壁のひとつなのです。

ステープルを抜く

ステープルを抜く

 ダイニングチェアの外側から千枚通しの先をステープルに合わせて押し込みながら、ステープルの下側にもぐり込ませ、座板の縁を支点に千枚通しを倒しテコの原理でステープルを持ち上げます。

 持ち上げたステープルはニッパーで抜きます。これもニッパーで挟み込んでニッパーを裏返すようにひねるとテコの原理で簡単に抜けます。これをすべてのステープルに行って座面板から布地やウレタンをはぎ取ってください。

ご注意
千枚通しの扱いと抑え手の位置に注意
 千枚通しを使いますのでケガに注意してください。千枚通しの先端の先に座板を押さえる手を置かないようにしてください。千枚通しが滑ったときに非常に危険です。そのためにできるだけ安定した台の上で座板のどこを抑えても座板がずれないような状態で作業を行ってください。
ステープル切断時の注意
 ステープルが細い場合や錆びたりしているとニッパーで挟んだときに切れてしまうことがあります。切れたものが目に入らないように ニッパーの使用角度を調整したり、ゴーグルなどを着用ください。また、切れてしまったステープルは無理に抜かずに布地を取り除き、座板の状態になった時点でケガの防止にもなりますので金槌で叩くとよいでしょう。
ポイント
千枚通しの差し方で作業性アップ
千枚通しの差し方で作業性アップ
 ステープルを打つタッカーという機械の機能上、ステープルの両端よりも真ん中の方がしっかりと打てるようになっています。(タッカーを分解して工具清掃の際に発見しました。)   裏を返すとステープルの真ん中に千枚通しを差すよりも両端のできるだけ端の方を持ち上げる方が無駄な力を使わずにステープルの下側に千枚通しを差し込めるということになります。
マイナスのドライバーを使って作業性アップ
マイナスのドライバーを使って作業性アップ
  角から4~5cmのところのステープルから2,3本抜いてステープルと座板の縁の間の布地の下にマイナスのドライバーを差し込み、テコの原理で持ち上げます。そうすると布地がステープルを持ち上げてくれます。ある程度のステープルは残りますが、布地は座板からはがれてくれますので1本1本ステープルを千枚通しとニッパーを使って抜いていくよりもはるかに効率的です。どうぞお試しください。  ただし、張り地が合成皮革の場合は張り地が破けてしまいうまくいかないこともあります。状況に応じて活用してください。
角周辺は1本1本抜く
角周辺は1本1本抜く
 角周辺はステープルを隙間なく打ち込んであることが多く、形状的にマイナスのドライバーを差し込むことが困難なため、マイナスドライバーでの持ち上げは無駄な力を使うことが多く、 滑ったりするとケガのもととなります。そのため、角周辺は1本1本千枚通しとニッパーを用いて抜いていくのが賢明です。
金槌でステープルを叩く
金槌でステープルを叩く
  持ち上がっていないステープルには特に危険性がないので抜き取るのが大変だと思ったら金槌で叩いてください。金槌の丸面でステープルを叩くと座板の面に沈み込み手で触っても違和感がなくなります。
  ただし、角周辺はステープルをきれいに抜いておきましょう。この部分はステープルが集中していることに加え張り込み時に角周辺はステープルを集中して打ち込むので、打ち込んだステープルが運悪く以前のステープルに当たり、はじかれてしまうことがあります。
持ち上がったステープルをニッパーで抜き取り

 力ずくでも、上記方法でも布地とウレタンを座板からはぎ取れたら座板の裏側の持ち上がったステープルをニッパーで抜き取ります。理想はすべてのステープルをきれいに抜き取ることですが、ご自分のものなのですべて抜かなくてもよいと思います。その判断はみなさんにお任せします。

ご注意
切断したステープルに注意

抜く途中で切断してしまったステープルは抜き取るか、とんかちでたたき込んでください。そのままですと作業中に手に引っかけてケガをしますので未然に防いでください。

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